最高人民法院によるコンピュータネットワーク著作権に関わる紛争案件の審理における法律適用の若干問題についての解釈 |
2010-5-21 0:59:04 |
(2000年11月22日の最高人民法院審判委員会第1144回会議で通過 2003年12月23日の最高人民法院審判委員会第1302回会議の「『最高人民法院のコンピュータネットワーク著作権に関わる紛糾案件審理の法律適用の若干の問題に関する解釈』改正に関する決定」に基づき第1回改正 2006年11月20日の最高人民法院審判委員会第1406回会議の「『最高人民法院のコンピュータネットワーク著作権に関わる紛糾案件審理の法律適用の若干の問題に関する解釈』改正に関する決定(二)」に基づき第2回改正)
コンピューターネットワーク上の著作権紛争案件を正確に審理するために、民法通則、著作権法、民事訴訟法等の法律の規定に基づき、この種の案件に対する法律適用の若干の問題について、次のとおり解釈する。
第一条
ネットワーク上の著作権侵害紛争案件は、権利侵害行為地または被告の居住地 の人民法院が管轄する。権利侵害行為地には権利侵害で訴えられた行為を実施したネットワークサーバー、コンピューター端末機等の設備の所在地を含む。権利侵害行為地や被告の居住地の確定が困難な場合は、原告が権利を侵害する内容を発見したコンピューター端末機等の設備の所在地を権利侵害行為地とみなすことができる。 第二条 著作権法の保護を受ける作品には、著作権法第三条が規定する各種作品のデジタル化されたものを含む。ネットワーク環境下で著作権法第三条が列挙する作品の範囲に分類できないものでも、文学、芸術、科学分野で独創性があり何らかの形で複製できるその他知的創作物については、人民法院は保護を与えなければならない。 第三条 ネットワークサービス提供者がネットワークを通じ他者の著作権侵害行為に関与する、またはネットワークを通じ他者の著作権侵害行為実施を教唆、幇助した場合には、人民法院は民法通則第一百三十条の規定に基づき、その者とその他の行為者または直接権利侵害行為を実施した者との共同権利侵害責任を追及しなければならない。 第四条 コンテンツサービスを提供するネットワークサービス提供者が、ネットワーク 利用者がネットワークを通じて他者の著作権を侵害する行為を実施することを明らかに知っていた場合、または著作権者が確実な証拠のある警告を提出しているにもかかわらず、権利侵害された結果を除去するために権利侵害された内容を移動、削除する等の措置を行わなかった場合には、人民法院は民法通則第一百三十条の規定に基づき、その者と当該ネットワーク利用者の共同権利侵害責任を追及しなければならない。 第五条 コンテンツサービスを提供するネットワークサービス提供者が、著作権者が権利侵害行為者の権利侵害責任を追及するためにそのネットワークにおける権利侵害行為者の登録資料の提供を要求したことに対し、正当な理由なしにこれを拒絶した場合には、人民法院は民法通則第一百零六条の規定に基づき、その者に相応の権利侵害責任を追及しなければならない。 第六条 ネットワークサービス提供者が第三者の著作権の技術的保護手段を故意に回 避しまたは破壊することに専ら使用される方法、設備または材料であることを明らかに知りながら、これを掲載、公衆送信、提供した場合は、人民法院は当事者の訴訟請求および具体的な事情に基づき、著作権法第四十七条第(六)項の規定により、ネットワークサービス提供者の民事上の権利侵害責任を追及しなければならない。 第七条 著作権者が権利侵害情報を発見しネットワークサービス提供者に警告を提出または権利侵害行為者のネットワーク登録資料の提供を請求する際に、身分証明、著作権帰属証明および権利侵害状況証明を提示できない場合には、まだ警告を提出していないまたは請求していないとみなす。 著作権者が上記の証明を提示後ネットワークサービス提供者が措置をとらない場合には、著作権者は著作権法第四十九条、第五十条の規定に基づき起訴前に人民法院に関係行為の停止と財産保全、証拠保全の決定を行うよう申請することができ、また起訴時に人民法院にまず侵害の停止、妨害の排除、影響の除去の決定を行うよう申請することができ、人民法院はこれを許可しなければならない。 第八条 ネットワークサービス提供者は著作権者の確かな証拠のある警告の提出により、権利侵害された内容を移動、削除する等の措置を行った場合に、権利侵害を訴えられた者がネットワークサービス提供者に違約責任を負うよう求めても、人民法院はこれを支持しない。 著作権者の権利侵害告発が誤りで、権利侵害を訴えられた者がネットワークサービス提供者の行った措置により損失を受け賠償を請求した場合には、人民法院は警告を提出した者が賠償責任を負うよう判決しなければならない。 |