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           中華人民共和国商標法
2010-5-21 0:54:20
1982年8月23日第5期全国人民代表大会常務委員会第24回会議にて採択。
 1993年2月22日第7期全国人民代表大会常務委員会第30回会議「中華人民共和国商標法改正についての決定」に基づき一回目改正。
 2001年10月27日第9期全国人民代表大会常務委員会第24回会議の「中華人民共和国商標法改正についての決定」に基づき二回目改正。

目次

第一章 総則
第二章 商標登録の出願
第三章 商標登録の審査及び認可
第四章 登録商標の更新、譲渡及び使用許諾
第五章 登録商標争議の裁定
第六章 商標使用の管理
第七章 商標権の保護
第八章 附則
第一章 総則

1
商標管理を強化し、商標権を保護し、生産者及び経営者に商品と役務の品質を保証させることを促がし、商標の信用と名声を維持し保障することにより、消費者と生産者及び経営者の利益を保障し、社会主義市場経済の発展を促進することを目的としてこの法律を制定する。

2
国務院の工商行政管理部門商標局は、全国の商標登録及び管理業務を主管する。

国務院工商行政管理部門は、商標審判委員会を設置し、商標争議に係わる事項の処理に責任を負う。

3
商標局の審査を経て登録された商標を登録商標という。登録商標は、商品商標、役務商標、団体商標、及び証明商標とからなる。商標権者は商標権を享有し、この法律の保護を受ける。
 
この法律にいう団体商標とは、団体、協会又はその他の組織の名義で登録され、当該組織の構成員が商業活動の使用に供し、これを使用する者が当該組織の構成員資格を表示する標章のことを言う。
 
この法律でいう証明商標とは、監督能力を有する組織の管理下にある特定の商品又は役務に対して使用するものであって、かつ当該組織以外の事業単位又は個人がその商品又は役務について使用し、同商品又は役務の原産地、原材料、製造方法、品質又はその他の特別な品質を証明するために用いる標章をいう。

団体商標、証明商標の登録、管理に関する事項は国務院工商行政管理部門により規定される。

4
自然人、法人又はその他の組織が、その生産、製造、加工、選定又は販売する商品について商標権を取得する必要がある場合には、商標局に商品商標の登録を出願しなければならない。

自然人、法人又はその他の組織が、その提供する役務内容について商標権を取得する必要がある場合には、商標局に役務商標の登録を出願しなければならない。

この法律の商品商標に関する規定は役務商標に適用する。

5
二以上の自然人、法人又はその他の組織は、商標局に共同で同一の商標登録を出願し、共同で同商標権を享有、行使することができる。

6
国が登録商標を使用すべき旨を定めた商品については、商標登録出願をしなければならない。登録が未だ認められていないときは、市場で販売することができない。

7
商標を使用する者は、その商標を使用する商品の品質に責任を負わなければならない。各クラスの工商行政管理部門は、商標管理によって消費者を欺瞞する行為を阻止しなければならない。

8
自然人、法人又はその他の組織の商品を他人の商品と区別することができるいかなる視覚的標章(文字、図形、アルファベット、数字、立体的形状及び色彩の組合せ、並びにこれらの要素の組合せを含む)は、全て商標として登録出願することができる。

9
登録出願にかかる商標は、顕著な特徴を有し、容易に識別でき、かつ他人の先に取得した合法的権利と抵触してはならない。

商標権者は「登録商標」又は登録済みの表示を表記する権利を有する。

10
次に掲げる標章は、商標として使用してはならない。

(一)中華人民共和国の国名、国旗、国章、軍旗、勲章と同一又は類似したもの及び中央国家機関所在地の特定地名又は標章性を有する建築物の名称若しくは図形と同一のもの。
(二)外国の国名、国旗、国章、軍旗と同一又は類似のもの。但し当該国政府の承諾を得ている場合にはこの限りではない。
(三)各国政府よりなる国際組織の名称、旗、徽章と同一又は類似のもの、但し同組織の承諾を得ているもの、又は公衆に容易に誤認を生じさせない場合にはこの限りではない。
(四)規制用または保証用の政府の標章、又は検査印と同一又は類似のもの。但し、その権利の授権を得ている場合にはこの限りではない。
(五)「赤十字」、「赤新月」の名称、標章と同一又は類似のもの。
(六)民族差別扱いの性格を帯びたもの。
(七)誇大に宣伝しかつ欺瞞性を帯びたもの。
(八)社会主義の道徳、風習を害し、又はその他の悪影響を及ぼすもの。

県クラス以上の行政区画の地名又は周知の外国地名は、商標とすることができない。但し、その地名が別の意味を持ち又は団体商標、証明商標の一部とする場合にはこの限りではない。既に地理的表示を使用する商標として登録された商標は、引き続き有効である。

11
以下に掲げる標章は、商標として登録することができない。

(一)単なるその商品の普通名称、図形、型番にすぎないもの。
(二)単なる商品の品質、主要原材料、効能、用途、重量、数量及びその他の特徴を直接表示するにすぎないもの。
(三)識別力を欠くもの。

前項に掲げる標章が、使用により識別力を有し、かつ容易に識別可能なものとなった場合には、商標として登録することができる。

12
立体標章をもって商標出願する場合、単にその商品自体の性質により生じた形状、技術的効果を得るための不可欠の商品形状、又はその商品に本質的な価値を備えさせるための形状である場合には、これを登録してはならない。

13
同一又は類似の商品について出願した商標が、中国で登録されていない他人の著名商標を複製、模倣又は翻訳したものであって、かつ同著名商標と容易に混同を生じさせる場合には、その登録を拒絶しかつその使用を禁止する。

非同一又は非類似の商品について出願した商標が、中国ですでに登録されている他人の著名商標を複製、模倣又は翻訳したものであって、かつ公衆を誤認させ、同著名商標権者の利益に損害を与え得る場合には、その登録を拒絶しかつその使用を禁止する。

14
著名商標の認定には、以下の要素を考慮しなければならない。

(一)関連公衆の当該商標に対する認知度
(二)当該商標の継続的な使用期間
(三)当該商標のあらゆる宣伝の継続期間、程度及び地理的範囲
(四)当該商標の著名商標としての保護記録
(五)当該商標の著名であることのその他の要素

15
授権されていない代理人又は代表者が自らの名義により被代理人又は被代表者の商標について登録し、被代理人又は被代表者が異議を申し立てた場合には、その登録を拒絶しかつその使用を禁止する。

16
地理的表示を含めた商標は、その商品が同表示に示された地域によるものではなく公衆を誤認させる場合、その登録を拒絶しかつその使用を禁止する。但し、既に善意によって登録したものは引き続き有効である。

前項にいう地理的表示とは、商品がその地域に由来することを示し、同商品の特定の品質、信用又はその他の特徴が、主に同地域の自然的要素及び人文的要素によって形成されたものの表示をいう。

17
外国人又は外国企業が中国に商標登録を出願する場合、その所属国が中華人民共和国と締結した協定、又は相互に加盟する国際条約、或いは相互主義の原則によって手続きを行うものとする。

18
外国人又は外国企業が中国で商標登録を出願し又はその他の商標に関する手続を申請する場合、国が認可した商標代理資格を有する代理組織に委託しなければならない。

第二章 商標登録の出願
19
商標登録を出願するときは、定められた商品分類表に基づき商標を使用する商品類及び商品名を明記しなければならない。

20
商標登録出願人は異なる区分の商品について同一の商標を出願する場合には、商品区分表に従い出願をしなければならない。

21
登録商標を同一区分のその他の商品に使用する必要がある場合には、別に登録出願しなければならない。

22
登録商標がその標章を変更する必要がある場合には、新規に登録出願をしなければならない。

23
登録商標が権利者の名義、住所又はその他の登録事項を変更する必要がある場合には、変更出願をしなければならない。

24
商標登録出願人は、その商標を外国で初めて登録出願をした日から6ヶ月以内に中国で同一商品について同一の商標登録出願をする場合には、当該国と中国が締結した協定又は共同で加盟している国際条約、若しくは相互に承認する優先権の原則に従って、優先権を享受することができる。

前項の規定により優先権を主張する場合には、商標登録を出願するときに書面で主張し、かつ3ヶ月以内に最初の出願にかかる商標登録出願の願書の副本を提出しなければならない。書面による主張がなく又は期間内に商標登録出願の副本を提出しない場合には、その優先権を主張しないものとみなす。

25
その商標が中国政府の主催又は承認した国際展示会に出展した商品に最初に使用された場合であって、かつ同商品が出展された日から6ヶ月以内である場合には、同商標出願人は優先権を享受することができる。

前項規定により、優先権を主張して商標登録を出願するときは、商標登録の願書を提出するときに書面により主張し、かつ3ヶ月以内にその商品が出展された展示会の名称、出展された商品に同商標を使用した証拠、出展期日などの証明書類を提出しなければならない。書面による主張を提出しないか又は期間を満了しても証明書類を提出しない場合には、優先権を主張しないものとみなす。

26
商標登録出願のために申告した事項と提出した資料は、真実、正確、完全でなければならない。

第三章 商標登録の審査及び許可
27
登録出願にかかる商標が、この法律の関係規定を満たすときは、商標局は予備的査定を行い公告する。

28
登録出願にかかる商標が、この法律の関係規定を満たさない、又は他人の同一の商品又は類似の商品について既に登録され又は予備的査定を受けた商標と同一又は類似するときは、商標局は出願を拒絶し公告しない。

29
2人又は2人以上の商標登録出願人が、同一の商品又は類似の商品について、同一又は類似の商標登録出願をしたときは、先に出願された商標について予備的査定をし、かつ公告する。同日の出願については、先に使用された商標について予備的査定をし、かつ公告する。他方の出願は拒絶され、かつ公告されない。

30
予備的査定された商標について、その公告の日から3ヵ月以内に、何人も異議を申し立てることができる。期間を満了しても異議申立がなかった場合、登録を許可し商標登録証を交付し、かつ公告する。

31
商標登録の出願は先に存在する他人の権利を侵害してはならない。他人が先に使用している一定の影響力のある商標を不正な手段で登録してはならない。

32
出願を拒絶し公告しない商標については、商標局は商標登録出願人に書面で通知しなければならない。商標登録出願人はこの決定に不服があるときは、通知を受領した日から15日以内に、商標審判委員会に審判を請求することができる。商標審判委員会は決定を下し、出願人に書面で通知する。

当事者は商標審判委員会の決定に不服がある場合、通知を受領した日から30日以内に裁判所に訴えを提起することができる。

33
予備的査定され公告された商標に対して異議申立があったときは、商標局は異議申立人及び被異議申立人が陳述する事実及び理由を聴取し、調査をして事実を明らかにした後、決定を下さなければならない。当事者は不服があるときは、通知を受領した日から15日以内に、商標審判委員会に審判を請求することができる。商標審判委員会は裁定を下し、異議申立人及び被異議申立人に書面で通知する。

当事者は商標審判委員会の裁定に不服がある場合、通知を受領した日から30日以内に、裁判所に訴えを提起することができる。裁判所は、商標審判手続での相手方当事者に対し第三者として訴訟に参加する旨を通知しなければならない。

34
当事者が法律で定める期限内に商標局の裁定に対して審判を請求しないか、又は商標審判委員会の裁定に対して裁判所に訴えを提起しない場合、裁定は効力を生ずる。

裁定により異議が成立しないと決定された場合は、登録を許可し商標登録証を発行し公告する。異議が成立すると決定されたときは、登録を認めない。

裁定により異議が成立しないと決定され登録を許可した場合、商標登録出願人が取得する商標権の期間は、予備的査定の公告後3ヶ月の期間が満了した日より起算する。

35
商標登録出願と商標審判請求は、直ちに審査しなければならない。

36
商標登録出願人又は登録人は、商標の出願書類又は登録書類に明らかな誤りを発見した場合、訂正を請求することができる。商標局は法律に基づき、職権の範囲内でそれを訂正し、あわせて当事者に通知する。

前項でいう誤記の訂正は、商標の出願書類又は登録書類の実質的な内容を含まない。

第四章 登録商標の更新、譲渡及び使用許諾
37
登録商標の有効期間は10年とし、当該商標の登録日から起算する。

38
登録商標の存続期間が満了し、継続して使用する必要があるときは、期間満了前6ヵ月以内に更新登録の出願をしなければならない。この期間に出願できないときは、6ヵ月の延長期間を与えることができる。延長期間内に出願しないときは、その登録商標を取消す。

毎回の更新登録の有効期間は10年とする。

更新登録は審査により許可された後、公告される。

39
登録商標を譲渡するときは、譲渡人と譲受人は譲渡契約を締結し、共同して商標局に申請しなければならない。譲受人は使用するその登録商標の商品の品質を保証しなければならない。

登録商標の譲渡は、許可された後公告される。譲受人はその公告日より商標権を享有する。

40
商標登録人は商標使用許諾契約を締結することで他人にその登録商標を使用することを許諾することができる。許諾者は被許諾者がその登録商標を使用する商品の品質を監督しなければならない。被許諾者はその登録商標を使用する商品の品質を保証しなければならない。

他人の登録商標を使用することを許諾されているときは、その登録商標の商品に被許諾者の名称及び商品の原産地を明記しなければならない。

商標使用許諾の契約は商標局に届出なければならない。

第五章 登録商標争議の裁定
41
登録された商標がこの法律第十条、第十一条、第十二条の規定に違反している場合、又は欺瞞的な手段又はその他の不正な手段で登録を得た場合は、商標局はその登録商標を取消す。その他の事業単位又は個人は、商標審判委員会にその登録商標の取消についての裁定を請求することができる。

登録された商標がこの法律第十三条、第十五条、第十六条、第三十一条の規定に違反している場合、商標の登録日から5年以内に、商標所有人又は利害関係者は商標審判委員会にその登録商標の取消について裁定を請求することができる。ただし、悪意による登録、著名商標の所有者に対しては5年の期間制限を受けない。

前二項に規定された状況を除き、登録商標に異議がある場合は、その商標の登録日から5年以内に、商標審判委員会に裁定を請求することができる。

商標審判委員会は裁定請求を受けた後、関係する当事者に通知し、かつ期間を限り答弁書を求めなければならない。

42

異議申立を経て登録許可された商標については、同一の事実及び理由で再び裁定を請求することはできない。

43
商標審判委員会は、争いがある登録商標の維持又は取消を裁定した後、関係する当事者に書面で通知しなければならない。

当事者は商標審判委員会の裁定に不服がある場合、通知を受領した日から30日以内に、裁判所に対して訴えを提起することができる。裁判所は商標裁定手続きの相手側の当事者に第三者として訴訟に参加する旨を通知しなければならない。

第六章 商標使用の管理
44
登録商標の使用において、次の各号行為の一があるときは、商標局は期間を定めて是正を命じ又はその登録商標を取消す。

(一) 登録商標を許可なく変更したとき
(二)登録商標登録人の名義、住所又はその他の登録事項を許可なく変更したとき
(三)登録商標を許可なしに譲渡したとき
(四)継続して3年間使用しなかったとき

45
登録商標を使用している商品が粗製濫造され、品質を偽り、消費者を欺瞞しているときは、各クラスの工商行政管理部門は、それぞれの状況に応じて、期間を定めて是正を命じ、警告又は罰金を科し、又は商標局を通じてその登録商標を取消すことができる。

46
登録商標が取消され又は期間満了し更新されていないときは、取消又は消滅の日から1年以内は、商標局はその商標と同じか又は類似する商標の登録を認めない。

47
この法律第六条の規定に違反しているときは、地方の工商行政管理部門は期間を定めて登録出願を命じ、かつ罰金を科すことができる。

48
登録されていない商標を使用し、下記の各号の行為の一つがあるときは、地方の工商行政管理部門はこれを差止め、期間を定めて是正させ、かつ警告又は罰金を科すことができる。

(一) 登録商標と偽っているとき
(二)この法律第十条の規定に違反しているとき
(三)粗製濫造し、品質を偽り、消費者を欺いているとき

49
商標局の登録商標取消の決定について、当事者に不服があるときは、通知を受け取った日から15日以内に商標審判委員会に審判を請求することができる。商標審判委員会は決定を下し、請求人に書面で通知する。

当事者は商標審判委員会の裁定に不服がある場合、通知を受領した日から30日以内に、裁判所に訴えを提起することができる。

50
工商行政管理部門がこの法律第四十五条、第四十七条、第四十八条の規定に基づき下した罰金の決定について、当事者に不服があるときは、通知を受け取った日から15日以内に、裁判所に訴えを提起することができる。期間内に訴えが提起されないか又は決定を履行しないときは、関係する工商行政管理部門は裁判所に強制執行を請求する。

第七章 商標権の保護
51
商標権は、登録を許可された商標及び使用を定めた商品に限られる。

52
下記の各号行為の一つに該当するときは、商標権の侵害とする。

(一)商標権者の許諾なしに、同一の商品又は類似の商品にその登録商標と同一又は類似する商標を使用しているとき
(二)商標権を侵害する商品を販売しているとき
(三)他人の登録商標の標章を偽造し、無断で製造し、または偽造し、無断で製造された登録商標の標章を販売しているとき
(四)商標登録権者の許諾を得ずにその登録商標を変更し、変更した商標を使用する商品を市場に流通させたとき
(五)他人の商標権にその他の損害を与えているとき

53
本法第五十二条に定める商標権を侵害する行為の一つがある場合、当事者の協議により解決する。協議しないか、又は協議が成立しない場合は、商標権者又は利害関係人は裁判所に訴えを提起でき、また工商行政管理部門に処理を請求することができる。工商行政管理部門が権利侵害行為と認めた場合、即時に侵害行為の停止を命じ、権利侵害商品及び権利侵害商品の製造のために使用する器具を没収、廃棄処分し、かつ罰金を科すことができる。当事者は処理に不服があるときは、処理通知を受け取った日から15日以内に「中華人民共和国行政訴訟法」により裁判所に訴えを提起することができる。権利侵害人が期間内に訴訟を提起せず、かつ決定を履行しないときは、工商行政管理部門は裁判所に強制執行を請求することができる。処理を担当する工商行政管理部門は当事者の請求により、商標権侵害の賠償金額について調停することができる。調停が不調の場合、当事者は「中華人民共和国民事訴訟法」により裁判所に訴えを提起することができる。

54
商標権を侵害する行為に対して、工商行政管理部門は法律より調査、処分を行う権限を有する。犯罪の疑いがある場合、直ちに司法機関移送し法により処理する。

55
県クラス以上の工商行政管理部門は違法の疑いのある証拠又は通報により、他人の商標権侵害に疑義のある行為に対して取り調べをする際、以下の職権を行使することができる。

(一) 当事者を尋問し、他人の商標権の侵害に関する状況を取り調べること
(二)当事者の侵害行為に関係する契約、領収書、帳簿及びその他の資料を閲覧、複製すること
(三)他人の商標権の侵害行為に疑いのある場所を現場検証すること
(四)侵害行為に関係する物品を検査し、他人の商標権を侵害する物品であることを証明する証拠がある場合、これを封印し、差し押さえること

工商行政管理部門は前項に基づき職権を行使する場合、当事者はこれに協力し、拒絶、妨害してはならない。

56
商標権侵害の損害賠償額は、侵害者が侵害した期間に侵害により得た利益又は被侵害者が侵害された期間に侵害により受けた損失とし、被侵害者が侵害行為を抑止するために支払った合理的な支出を含む。

前項にいう侵害者が侵害により得た利益、又は被侵害者が侵害により受けた損失を確定することが困難な場合には、裁判所が権利侵害行為の情状により50万元以下の損害賠償を命ずる。

商標権の侵害製品であることを知らず善意により販売した場合、当該商品を合法的に取得したことを証明でき、かつ提供者に説明できる場合には、損害賠償の責を負わない。

57
商標権者又は利害関係者は、他人がその商標権の侵害行為を行っているか又はまさに行おうとしていることを証明する証拠を有しており、これを直ちに制止しなければ、その合法的権益に回復しがたい損害を被る恐れがある場合には、訴えを提起する前に、裁判所に関係行為の停止と財産の保全措置命令を採るよう請求することができる。

裁判所は前項の請求を処理するにあたり、「中華人民共和国民事訴訟法」第九十三条から第九十六条及び第九十九条の規定を適用する。

58
侵害行為を差止めるに際し、証拠が消滅する可能性がある、又は今後の入手が困難である場合、商標権者又は利害関係者は訴えを提起する前に裁判所に証拠の保全を請求することができる。

裁判所は当該請求を受領した後、48時間以内に裁定を下さなければならない。保全措置を採るように裁定したものについては直ちに執行しなければならない。

裁判所は請求人に担保の提供を命じることができる。請求人が担保を提出しない場合には、その請求を却下する。

請求人が、裁判所が保全措置を採用してから15日以内に提訴しない場合、裁判所は保全措置を解除しなければならない。

59
商標権者の許諾なしに、同一商品にその登録商標と同一の商標を使用し、当該行為が犯罪を構成する場合は、被侵害者の損失を賠償する外に、法により刑事責任を追求する。

他人の登録商標の標章を偽造し、無断で製造し、若しくはその偽造し、無断で製造した登録商標の標章を販売することで犯罪を構成する場合は、被侵害者の損失を賠償する外に、法により刑事責任を追及する。

登録商標を盗用した偽造商品と知りながら販売することにより犯罪を構成する場合は、被侵害者の損失を賠償する外に、法により刑事責任を追及する。

60
商標の登録、管理及び審判業務に従事する国家公務員は、私情なく公平に法律を執行し、廉潔に自らを律し、職務に忠誠を尽くし、文明的に奉仕しなければならない。

商標局、商標審判委員会及び商標登録、管理、審判業務に従事する国家公務員は、商標の代理業務及び商品の生産活動に従事してはならない。

61
工商行政管理局は、健全な内部監督制度を確立し、商標登録、管理及び審判業務を責務とする国家公務員の、法律及び行政法規の執行に対して、また規則の遵守についての状況を監督、点検しなければならない。

62
商標登録、管理及び審判業務に従事する国家公務員は、職務を怠り、職権を濫用し、情実にとらわれ不正行為を行い、商標の登録、管理及び審判を違法に処理し、当事者から財物を受け取り、不正な利益をむさぼり、犯罪を構成する場合は、法により刑事責任を追及する。なお犯罪を構成しない場合には、法により行政処分を与える。

第八章 附 則
63
商標登録出願及びその他の商標事務手続をするときは、手数料を納付しなければならない。具体的な手数料の基準は別に定める。

64
この法律は、1983年3月1日より施行する。1963年4月10日国務院が公布した「商標管理条例」は同時に廃止する。その他の商標管理に関する規定は、この法律と抵触するときは、同時に失効する。

この法律の施行前に既に登録された商標は、継続して有効とする。